Indeerのバンガロール知恵袋

インド・バンガロールで生活する駐妻の知恵袋

「できない」「分からない」と言わないインド人

いつも基本的には礼儀正しく、義理に厚く、時間や約束も守る我が家のドライバーに、今まで行ったことのない場所に行きたいと伝えた時のこと。彼は何も言わずに車をスタートさせました。
さすが、このお店も知っているのか!と感心していると、しばらくして、Googleマップの経路から外れ、反対方向に進んでいることに気が付く...。慌てて指摘すると、さも「もちろん知っています」と言わんばかりの雰囲気で、何事も無かったかのように方向転換を始めたのでした。

また別の日、お店を探していて、路面店の店員さんに道を尋ねた時のこと。
「あっちにある」と指差しで教えてくれ、礼を言って店を出たものの、あるはずのお店はそこにはありませんでした...

つまりはこういうこと。
自分の沽券や損得に直結することに対しては、彼ら彼女らは「できない」「分からない」とは基本言わない。自分の価値を下げるから。
逆に、自分に影響が及ばない場合もまた、その場を円満に迅速にやり過ごすため、「できる」「分かる」と、相手が即納得してくれそうな答えを出す。


例外があるとすれば、「できる」「分かる」と言うことが自分の首を締めることになることを彼ら・彼女ら自身も明確に自覚している場合や、面倒臭くて深入りしたくない場合、「できない」「分からない」と言って話を終わらせるように思います。あるいは、純粋にその人の性格、人となりから、正直に「できない」「分からない」と言ってくれる場合ももちろんあります。(が、そんな人に出会ったときには、「あぁ、素直な人だなぁ」と感動してしまう...)

そんな状況なので、インドで「できる」「分かる」と言われても、まずはあまり期待しないことをオススメします。違うかもなーと思いつつ、リスクがそこまで大きくないのなら、軽い気持ちで従い、待ってみる。そして、可能な限り次善の策を講じておく。でないと、「できるって言ったじゃん!!(なんでできてないのよ!)」と、ストレスフルな日々を送ることになってしまいます...